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読書記録用。たまにそれ以外。

七河迦南『七つの海を照らす星』

『七つの海を照らす星』

著者:七河迦南 

家庭では暮らせない子どもたちが生活する児童養護施設「七海学園」
ここでは「学園七不思議」と称される怪異が生徒たちの間で言い伝えられ、
今でも学園で起きる新たな事件に不可思議な謎を投げかけていた。
孤独な少女の心を支える"死から蘇った先輩"。
非常階段の行き止まりから、夏の幻のように消えた新入生。
少女が六人揃うと、いるはずのない"七人目"が囁く暗闇のトンネル。
七人の少女をめぐるそれぞれの謎は、"真実"の糸によってつながり、
美しい円環を描いて、希望の物語となる。

 

日常の謎

ミステリーです。しかし人は死にません。日常に潜むちょっとした謎、不思議にまつわるお話、いわゆる"日常の謎"というものですね。坂木司氏や北村薫氏、米澤穂信氏などが得意とするジャンルです。

七河迦南(ななかわかなん)という不思議な語感の名前の作者は、性別も年齢も不明の覆面作家で、存じ上げなかったのですがいい作品に出逢えたなと思いました。

  

青空の卵 (創元推理文庫)

青空の卵 (創元推理文庫)

 
氷菓 (角川文庫)

氷菓 (角川文庫)

 

 

気になった部分

短編集です。7つのお話が収録されており、それぞれに謎があります。主人公、及び登場人物、世界観は同じですね。

最初は独特の書き味に少し読みにくさを感じたんですが、慣れればどうということはなかったです。それよりも、それぞれの謎の完成度に少し格差を感じてしまったことが気になりました。

現実として考えれば高クオリティの謎がそう短期間で起こるはずもないのですが。

 

続編

続編があります。

『アルバトロスは羽ばたかない』同じく創元推理文庫からです。 

まとめ 

表紙が完全に僕の好みだったのでジャケ買いをしてしまいましたが、"当たり"の分類の小説でした。100点! って感じでは無いと思いますが、面白かった! と言える小説だと思います。エンタメとしてすごくよくできてるし実際楽しかったです。

そのおかげか、読書に集中できる時間も増えたと思います。

続編も買いに行かねば。