刺さるおすすめミステリー20選
ミステリーって趣味がかなりわかれますよね。
何故か私はどんなミステリーでも楽しく読める人なので20個あまり選んでみましたので紹介します。こういうのやってみたかったんです。
読んだ時に色んな意味で衝撃を覚えたものばかりなので、どれ読んでも良いと思います。
なるべくいろんなものを集めました。
日本の作家のみです。
- 1.島田荘司『占星術殺人事件』
- 2.綾辻行人『十角館の殺人』
- 3.筒井康隆『ロートレック荘事件』
- 4.京極夏彦『魍魎の匣』
- 5.森博嗣『幻惑の死と使途』
- 6.麻耶雄嵩『螢』
- 7.伊坂幸太郎『重力ピエロ』
- 8.貴志祐介『青の炎』
- 9.服部まゆみ『この闇と光』
- 10.貫井徳郎『慟哭』
- 11.西澤保彦『七回死んだ男』
- 12.乙一『夏と花火と私の死体』
- 13.七河迦南『七つの海を照らす星』
- 14.折原一『倒錯のロンド』
- 15.笠井潔『バイバイ、エンジェル』
- 16.谷崎潤一郎『谷崎潤一郎犯罪小説集』
- 17.小林泰三『アリス殺し』
- 18.原田マハ『楽園のカンヴァス』
- 19.竹本健治『涙香迷宮』
- 20.高橋和彦『写楽殺人事件』
- まとめ
1.島田荘司『占星術殺人事件』
島田荘司氏のデビュー作。35年以上前の作品ですが今もなお語り継がれています。
なによりも衝撃なのはその大胆なトリックでしょう。私的にはそのトリックの出し方が非常に美しかったかなと思います。
ミステリーファンならずとも必読書ではないでしょうか。
2.綾辻行人『十角館の殺人』
綾辻行人氏の衝撃のデビュー作。ここから新本格ミステリーがはじまりました。
衝撃のトリック。未読の方は非常に運が良いと思います。
できればなにも予備知識のないまま読み進んでいただくことをおすすめします。
3.筒井康隆『ロートレック荘事件』
ロートレック荘事件はレビューし難い作品としてとても有名です。
なぜならレビューというものをしようものならネタバレにならざるを得ないからです。少し大げさに聞こえるかもしれませんが奇才・筒井康隆の一面(これでもほんの一面に過ぎない)を垣間見えると思います。
そして長編としては短い部類です。長すぎるのはちょっと……という人にもおすすめ。
4.京極夏彦『魍魎の匣』
読めるレンガです。
それくらい厚いです。しかし、厚いだけあって物語の重厚さは圧倒的です。複雑に絡み合う幾つもの事件が最後に一つになります。しかもその合わさり方が絶妙です。これは並の作家では到底、説得力をもたせることができないでしょう。
探偵、京極堂の薀蓄も冴え渡ります。このシリーズは読むと、ジャッキーチェンの映画を見た後強くなった錯覚が起こるように、知識が最強になる感覚を覚えますが大体において勘違いだったりします。
5.森博嗣『幻惑の死と使途』
森博嗣氏といえば『すべてがFになる』がとても有名ですが、このS&Mシリーズではこれが一番好きです。
『夏のレプリカ』と同時期に起きた事件のため、こちらには奇数章しかありません(夏のレプリカは偶数章のみ)。二作は一応繋がってる部分もあるのですが、そこまで巧妙に繋がってるというよりは、やってみたかっただけというのが森博嗣氏らしくて面白いです。
"名前"に関する象徴的なシーンがいくつもあり、それがとても印象的でした。
6.麻耶雄嵩『螢』
変化球作品ばかり書いてる麻耶雄嵩氏の作品。例に漏れずこの作品もかなりの変化球。
騙されるとか騙されないとかそういうことじゃなく、斬新につきます。
設定だけみるとありがちなクローズドサークルものかなとも思えるのですが、結末やトリック、伏線の危なさなど麻耶雄嵩節が炸裂です。
あなたは見破れるでしょうか。
7.伊坂幸太郎『重力ピエロ』
みんな大好き伊坂幸太郎氏の作品。映画版もありますが断然こちらのほうがおすすめです。
重たいテーマを背負っていますが、美しいエンディングでした。
そして軽やかな文体です。様々な引用、パロディも成功していると思います。章も短くスラスラ読めます。
8.貴志祐介『青の炎』
貴志祐介氏はどうしてこんなにも面白い小説が書けるのか。
倒叙&青春ミステリー。
主人公のやりきれない立場、若さ、優しさがすべてを狂わせる。
切ないラストでした。
9.服部まゆみ『この闇と光』
序盤から独特の耽美な世界が続きます。お城、姫、隣国との争い、クラシック、古典小説……。
読み進めると突然世界が壊れます。どう壊れるかは読み進めた人のお楽しみ……。
そこばかりでなくラストもリドルストーリー風になっており、意見のわかれるところです。みなさんはどう読んだのでしょう……?
10.貫井徳郎『慟哭』
辛い。
衝撃度もあるし、なにより最後の一文がかなり辛い。
まさに慟哭。その名を冠するだけの内容です。
辛くなりたい方へおすすめ。
11.西澤保彦『七回死んだ男』
前提の設定がぶっとんでます。
同一人物が連続死! 恐るべき殺人の環。殺されるたび甦り、また殺される祖父を救おうと謎に挑む少年探偵。どうしても殺人が防げない!? 不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう、渕上零治郎老人――。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは! 時空の不条理を核にした、本格長編パズラー。
これだけ読んでも全く意味不明な設定です。
しかし、非常に論理的に事件は解決します。主人公の少年のキャラクタも相まってスラスラと読めますし、その小説の構造に一本取られるはず。
12.乙一『夏と花火と私の死体』
天才作家乙一氏のデビュー作。
16歳でこれを執筆したそうで、読めば乙一氏がいかに天才かわかるはず。
オチも非常に優れていると思います。それだけでなく文章が読みやすかったです。
今これを書いていて、もう一度読みたいです。
13.七河迦南『七つの海を照らす星』
日常の謎ミステリーです。ミステリーですが殺人は起こりません。
児童保護施設で伝えられる七不思議。子どもたちと主人公との関係も注目すべきところです。
7つお話がありますが、私は最初のお話が好きです。
こういう一話完結系の短編が重なりあうと、キャラクタに非常に愛着がわくのは私だけでしょうか?
暖かな気持ちになりたい人へおすすめ。
14.折原一『倒錯のロンド』
プロットがめちゃくちゃ凝っていて、もしかすると納得できない方もいるかも。
しかし、衝撃の真相であることは間違いないです。
個人的にはちょっと凝り過ぎで変かな? と思う部分もありますが、同時におすすめしたい一作でもあります。この辺の矛盾を内包してるのが折原一氏の小説ですね。
15.笠井潔『バイバイ、エンジェル』
これはもはや哲学、思想合戦です。
禅問答、哲学談義のようなやりとりが繰り返されます。
ミステリーとしての堅牢さも保持しながら、哲学、思想対決ともいえるようなやりとりは圧巻。
多くの作家が影響を受けたと公称しており、その影響力たるや凄まじいものがあるでしょう。少し、森博嗣氏のS&Mを思い出したりもしました。
森博嗣氏が好きな人には絶対的におすすめです。
16.谷崎潤一郎『谷崎潤一郎犯罪小説集』
日本一の美しい文章を書く作家(と私が思っている)、谷崎潤一郎。
その谷崎潤一郎の犯罪小説集です。
多くの人に愛され影響を及ぼした『途上』はショートショートの傑作です。
今読んでも全く色あせません。
江戸川乱歩以降の推理小説家に多大な影響を及ぼしたことは一読すれば解るでしょう。
日本推理小説の源流を知りたい方は是非。
17.小林泰三『アリス殺し』
不思議の国のアリスをモチーフにしたミステリー。
小林泰三氏らしく世界観に引き釣りこむのが上手いです。
もちろん(?)グロテスクな表現が続く場面もあり、敬遠する方もいると思いますが、クセのある小説が好きな人にはたまらないでしょう。
グロテスク耐性、アリス好きの方へ。
18.原田マハ『楽園のカンヴァス』
美術ミステリー。
アンリルソー、ピカソが好きな方はハマると思います。
もちろん美術に興味がないひともグイグイとアートの世界へ引き込まれること間違いなし。
実は原田マハ氏の作品は『ジヴェルニーの食卓』のほうが好きです(モネが好きだからというだけ)。
19.竹本健治『涙香迷宮』
すごすぎる。その一言につきます。
いわゆる暗号ミステリーになるんだと思いますが、その暗号がとてつもないです。一体竹本健治氏って脳みそどうなってるんでしょうか……。
さすがは日本四大奇書『匣の中の失楽』を書いただけある、ということでしょうか。
ミステリーとしてはどうか、という声もあることはわかりますが(実際私もそう思う)、暗号のすごさに触れたい方は是非。
20.高橋和彦『写楽殺人事件』
写楽……? なんだそれって人にも読める(かつての私)。
謎の絵師といわれた東洲斎写楽、そして現実に起こる連続殺人事件。
実際に東洲斎写楽という人物は謎だらけで、別人のペンネームだったのではという話もあり、人物像がよくわからない人でもあります。
途中まで写楽の謎を追う描写が続くのですが、これがまた面白い。
そんなの興味ねーよ! って人も必ず読めると思います(かつての私)。
まとめ
一応王道から変化球まで、新旧取り入れたつもりです(新がない?)。
実は最近殺人事件が起こるミステリーを読んでおらず、ナイフといえば、スティーブン・ミルハウザーの『ナイフ投げ師』がでてくるくらいです。
最近のミステリーの兆候とかあるんでしょうか。知ってる方教えてほしいです。
この20選も時がたつにつれて変わっていくだろうと思いますが、そのときにはそのときでまた紹介します。